【歯科医師監修】ブラックトライアングルの治し方｜歯茎の隙間の原因と治療法を大阪の歯科医が解説

なぜできる？ブラックトライアングルの主なリスク因子

ブラックトライアングルは、歯と歯の間にあるべき歯茎（歯間乳頭）が、何らかの理由で痩せたり、下がったりすることで生じます。その原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。

• 歯周病の進行
  最も大きな原因の一つです。歯周病によって歯を支える骨が溶けると、その上にある歯茎も一緒に下がってしまい、隙間ができてしまいます。
• 加齢による変化
  年齢を重ねると、歯茎も少しずつ痩せてきます。研究データでは、年齢とともに歯間乳頭の高さがわずかに減少することが示されています。（原文より：年間0.012mm減少）
• 矯正治療による影響
  歯並びが整う過程で、もともと隠れていた歯茎のラインが見えたり、歯の移動に伴って隙間が目立ってきたりすることがあります。これは治療がうまくいった証拠でもありますが、審美的な問題として現れる場合があります。
• もともとの歯の形や骨格
  歯の形が三角形に近い方や、歯の根っこの間の距離が離れている方は、もともと隙間ができやすい傾向にあります。
• 歯茎のタイプ（歯肉の薄さ）
  歯茎が薄い方は、日々の歯磨きなどのわずかな刺激や炎症でもダメージを受けやすく、歯茎が下がりやすい（退縮しやすい）と言われています。

ブラックトライアングルの治療法【3つの選択肢】

当院では、精密な診断のもと、患者様のご希望や症状に合わせて最適な治療法をご提案します。ここでは代表的な3つの方法をご紹介します。

治療法① 歯間乳頭再建術（歯肉移植）

歯茎そのものを再生させ、隙間を根本的に埋める高度な歯周外科処置です。ご自身の上顎（口蓋）などから健康な組織を少しだけ採取し、隙間が気になる部分に移植することで、失われた歯茎のボリュームを回復させます。

歯周外科の中でも最も高度な技術を要する治療の一つですが、自分の組織を使うため馴染みが良く、自然で美しい仕上がりが期待できる根本的な治療法です。

治療法② ダイレクトボンディング

歯に歯科用のプラスチック（レジン）を直接盛り付け、歯の形を少し豊かにすることで隙間を埋める方法です。歯を削る量を最小限に抑えられ、治療も短時間で終わることが多いのが特長です。

治療法③ ラミネートベニア

歯の表面を薄く削り、セラミック製の薄いシェル（付け爪のようなもの）を貼り付ける審美治療です。歯の形を理想的に整えて隙間を隠すと同時に、歯の色を白くすることも可能です。セラミックなので変色しにくく、美しい状態が長持ちします。

【早わかり比較表】あなたに合った治療法は？

大阪つつい歯科・矯正歯科のこだわり：マイクロスコープによる精密治療

ブラックトライアングルの原因は、これまでお話ししたように様々です。治療を成功させるためには、なぜ隙間ができたのかを正確に診断し、原因にアプローチすることが不可欠です。

当院では、歯間乳頭再建術のようなミリ単位の精度が求められる繊細な外科処置において、マイクロスコープ（歯科用顕微鏡）を必ず使用します。肉眼の最大20倍以上にも視野を拡大することで、歯や歯茎へのダメージを最小限に抑え、より確実で予後が良い治療を実現します。