「硬いものを噛んだ拍子に歯が欠けた」「前歯の端が少し欠けて見た目が気になる」―― そんなとき、放置していいのか、すぐ歯医者に行くべきか迷う方は多いと思います。
結論から言うと、小さな欠けでも一度は歯科で状態を確認することが大切です。 欠けた部分からむし歯が進行したり、見えないところで亀裂が広がっていることもあります。
本記事では、「歯が欠けた時の正しい応急処置」「放置NGなサイン」そして「欠け方別の治療法」を、フローチャート形式でわかりやすく解説します。
歯が欠けたときの正しい応急処置
応急処置の3ステップ
- 口の中を軽くゆすぐ
ぬるま湯でやさしくうがいをして、欠片や血液を洗い流します。強くぶくぶくうがいをすると、余計な刺激になる場合があるので注意しましょう。 - 欠けた歯の破片を保管する
欠けた部分が大きい場合は、牛乳や自分の唾液を入れた清潔な容器に保管し、受診時に持参します。そのまま接着できるケースもあります。 - 早めに歯科医院を予約する
痛みの有無にかかわらず、できるだけ早く歯科医院に連絡し、状況を伝えて診察を受けましょう。
⚠️ 強い痛み・出血が止まらない・歯が大きく折れている場合は、できるだけ早期の受診が必要です。
どこまで欠けたら「放置NG」?セルフチェックのポイント
- 欠けた部分に冷たいもの・熱いものがしみる
- 噛むときにズキっと痛む
- 欠けたところから歯の中の黄色〜茶色っぽい層が見える
- 歯茎から出血している/腫れてきた
これらの症状がある場合、象牙質や神経の近くまで達している可能性があり、早めの治療が必要です。
【フローチャート】欠け方・症状でわかる3つの治療法
歯の状態によって治療法は異なります。ご自身の状態に近いものをチェックしてみましょう。
Case 01
痛み・しみなし
(コンポジットレジン)
- 歯と同じ色のプラスチックを詰める治療
- 多くの場合、即日完了します
- 削る量が少なく済みます
Case 02
しみる・穴があいた
または クラウン
- 欠損が大きい場合は詰め物・被せ物で補強
- セラミックなら自然な見た目と強度を再現可能
- 型取りが必要になります
Case 03
グラグラする・激痛
(保存困難な場合)
- 歯の根が割れていると残せない場合が多いです
- 抜歯後はインプラントやブリッジで噛む機能を回復します
※上記は一般的な目安です。実際の治療法は、レントゲン検査や噛み合わせの状態を確認した上で決定します。
前歯と奥歯で変わる治療の考え方
前歯が欠けた場合(見た目・審美性を重視)
- 小さな欠け:レジン修復で「どこが欠けていたかわからない」レベルを目指す
- 大きな欠け:セラミッククラウンで色・形・透明感を精密に再現
笑ったときの見え方・唇とのバランスなども考慮しながら、自然な前歯のラインを設計します。
奥歯が欠けた場合(噛む力・割れやすさを重視)
- 小さな欠け:レジンや小さなインレー
- 大きな欠け・縦割れ:クラウンや、場合によっては抜歯+インプラント
奥歯は噛む力が最もかかる部位のため、不十分な補修のまま使い続けると、さらに大きく割れるリスクがあります。
よくある質問(Q&A)
Q1. 痛くない小さな欠けは、そのままでも大丈夫?
痛みがなくても、欠けたエッジからむし歯が入りやすくなる・ヒビが広がることがあります。 一度歯科でチェックしておくと安心です。
Q2. 欠けた歯のかけらは持っていくべき?
大きめの欠片であれば、牛乳または唾液に浸して持参してください。 状況によっては、そのまま接着して使用できることもあります。
Q3. いつまでに歯科を受診すべき?
強い痛みやしみる症状がある場合、できるだけ数日以内の受診が望ましいです。 痛みがなくても、数週間〜1か月以内を目安に一度診察を受けておくことをおすすめします。
放置する前に一度ご相談ください
「少しだから大丈夫」と思って放置した小さな欠けが、
後から大きなトラブルにつながることもあります。
早期に適切な処置をすることで、歯を長く守れる可能性が高まります。
(大阪つつい歯科・矯正歯科)

