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フロスを通すと臭いのはなぜ?ドブのような臭いの正体と解決策

「フロスを通したあと、ニオイをかいでみたらドブのような臭いがした…」 「これって自分の口が臭いってこと?」とショックを受ける方も多いかもしれません。

結論から言うと、フロスが臭うのは「フロスが悪い」のではなく、歯と歯の間にたまった細菌と食べかすが原因です。 特に歯周病の初期〜中等度では、フロスや歯間ブラシが強いニオイを伴うことがよくあります。

本記事では、「ニオイの正体」「歯周病やむし歯との関係」「今日からできる対策」と、 いつ歯科医院に行くべきかの目安をお伝えします。

フロスが臭う原因は?ドブのような臭いの正体

① 細菌が作る「揮発性硫黄化合物(VSC)」

口臭の主な原因物質は、細菌が食べかすやタンパク質を分解するときに発生する揮発性硫黄化合物(VSC)です。 代表的なものに、硫化水素・メチルメルカプタンなどがあり、これらが腐った卵やドブのようなニオイを生み出します。

[出典: Tungare S et al., Halitosis, StatPearls / 2023]

② 歯と歯の間にたまったプラーク・食べかす

歯ブラシだけでは、歯と歯の間(隣接面)の汚れは約40%近く取り残されると言われています。 そこにプラーク(細菌の塊)と食べかすがたまることで、 フロスを通したタイミングでニオイが一気に放出されます。

③ 歯周ポケット内の膿・血液

歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの境目に歯周ポケットができ、 その中に細菌・炎症性の分泌物・場合によっては膿がたまります。 ここをフロスや歯間ブラシが刺激することで、強いニオイを伴った液体が付着することがあります。

よくある誤解と本当の話

誤解:「フロスをすると臭くなるから、フロスはやらない方がいい」

事実:フロスが臭うのは、すでに汚れと細菌がたまっているサインです。フロスをやめると、むしろ歯周病や口臭が悪化する可能性があります。

歯周病・むし歯とフロスのニオイの関係

① 歯周病(歯肉炎・歯周炎)の初期サイン

  • フロスを通すと血がつく
  • 歯ぐきが赤く腫れている/触るとブヨブヨする
  • 口の中がネバネバする・朝起きたときに口臭が気になる

これらは歯肉炎〜歯周炎の初期サインであることが多く、早期の歯周治療とセルフケア改善で進行を抑えられる可能性があります。

② 歯と歯の間のむし歯(隣接面むし歯)

歯と歯の間のむし歯は、見た目では気づきにくい一方、 進行するとフロスに独特の甘酸っぱいようなニオイがつく場合があります。

レントゲンでないとわからないことが多いため、定期検診とレントゲン撮影が重要です。

③ 「臭い玉」との違い

検索数の多い「臭い玉」は、扁桃にたまる膿栓のことを指すことが多く、 のどの奥から出てくる黄色〜白色のカスのようなものです。

一方、フロスが臭うのは主に歯と歯ぐき周りの細菌やプラークが原因であり、 原因の場所が異なります。どちらも口臭の原因になりうるため、歯科と耳鼻科の両方のチェックが有用な場合もあります。

今日からできるフロス臭対策:セルフケア編

ステップ1:フロスの「通し方」を見直す

  • 歯に沿わせながらCの字にカーブをつけて動かす
  • 歯ぐきを傷つけないように、ゆっくり上下に動かす
  • 歯と歯の両側の面をそれぞれこするように清掃する

ステップ2:歯間ブラシ・タフトブラシを併用する

  • 隙間が広い部位には歯間ブラシが有効
  • 奥歯の奥や、矯正後・ブリッジ周りなどにはタフトブラシが便利

歯科衛生士によるブラッシング指導で、自分の口に合ったサイズと使い方を確認することが大切です。

ステップ3:舌苔ケアと唾液のコントロール

  • やわらかい舌ブラシで、舌の汚れ(舌苔)を優しく除去
  • 水分補給・よく噛んで食べる・キシリトールガムなどで唾液分泌を促す

舌や口の乾燥も口臭の大きな要因の一つです。

「要・歯科受診」のサイン

こんなときは歯周病検査を受けましょう

  • フロスが毎回かなり強く臭う
  • 歯ぐきからの出血が3週間以上続いている
  • 歯が浮いたような感じ/噛んだときの違和感がある

これらは中等度以上の歯周炎が隠れている可能性があり、専門的な歯周病治療が必要になることがあります。

むし歯・歯周病以外の原因もチェック

歯科的な原因だけでなく、

  • 鼻・副鼻腔の病気
  • 糖尿病などの全身疾患
  • 服用薬の影響による口の乾燥

などが口臭の原因となることもあります。歯科でのチェックの結果、必要に応じて内科・耳鼻科などとの連携を行う場合もあります。

よくある質問(Q&A)

Q1. フロスが臭うのが嫌で、やるのをやめようか迷っています。

フロスが臭うのは、すでに汚れと細菌がたまっているサインです。 フロスをやめてしまうと、歯周病やむし歯が進行し、結果的にもっと強い口臭につながる可能性があります。 むしろ継続的なフロス+歯科での歯周病治療が大切です。

Q2. フロスのニオイはどれくらいで改善しますか?

軽度の歯肉炎であれば、毎日の正しいフロスとプロのクリーニングを数回受けることで、 数週間〜数か月でニオイがかなり改善することもあります。 ただし、中等度以上の歯周炎では、本格的な歯周病治療が必要です。

Q3. 口臭外来に行くべきか、まず歯科に行くべきか迷っています。

口臭の原因の多くは歯周病や舌苔など口の中の問題と言われています。 まずは歯科でむし歯・歯周病・舌苔・詰め物・被せ物の状態をチェックし、 必要であれば口臭外来や他科への受診を検討する流れが一般的です。

フロスのニオイ・口臭が気になる方へ ― 歯周病チェックから始めましょう

「フロスが毎回ひどく臭う」「家族から口臭を指摘された」という方は、 歯周病や隣接面むし歯など、治療が必要なサインかもしれません。

大阪つつい歯科・矯正歯科では、歯周病の精密検査とクリーニング、セルフケア指導を通じて、 口臭の原因を一つひとつ整理しながら改善を目指します。

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この記事の執筆・監修者

 

理事長 筒井 純也

歯科医師

米国ニューヨーク大学インプラント科を卒業し、インプラント・一般歯科・歯周病治療を包括的に行う。

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