歯のホワイトニング

　みなさんこんにちは、歯学博士の黒坂です。遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

　新年最初のテーマはホワイトニングについてです！歯のホワイトニングが身近になって以来、多くの方がホワイトニングに興味を持たれたり、施術を受けるようになりました。今回は、ホワイトニングについて詳しくお伝えしていきます。

• 1. ホワイトニングとは

　ホワイトニングは、薬剤を使って歯を白くする歯科医療の一つです。1989年にアメリカで実用化され、日本でも年々利用する方が増えています。ホワイトニングは歯の表面だけではなく、歯の中の色素を分解することで歯を根本的に白くすることが可能です。
　ホワイトニングで使用される主な薬剤は過酸化水素です。この過酸化水素が、歯の表面にあるエナメル質に沈着した色素を細かく分解することによって、歯が内面から白くなります。

• 2. 歯科医院とエステサロンでするホワイトニングの違い

　歯科医院で行うホワイトニングとエステサロンで行うセルフホワイトニングは全く別物です。
　エステサロンで用いられている薬剤（重曹、ポリリン酸、炭酸カルシウム、メタリン酸など）はお店によって異なりますが、エナメル質自体を漂白する効果はなく、歯の表面の色素沈着（ステインなど）を除去する作用があるため白くなったように感じます。
　歯科医院で用いる過酸化水素や過酸化尿素は医薬品にあたるため、エステサロンでは用いることができません。そのため、専門の知識と国家資格を持った歯科医師・歯科衛生士が安全に施術する必要があります。

3. ホワイトニングの種類、効果

　ホワイトニングには大きく分けて3種類の方法があります。

1）オフィスホワイトニング
　歯科医院で歯科医師または歯科衛生士が行うホワイトニング。

2）ホームホワイトニング
　お家で患者様ご自身が行うホワイトニング。

3）デュアルホワイトニング
　オフィス、ホームホワイトニングの両方を行うホワイトニング。

　それぞれにメリットやデメリット、適応があるため、患者様のご希望を伺いながら歯科医師と相談して施術していくことがとても大切になります。

4. ホワイトニング効果が出ない場合

　ホワイトニングの効果に関しては、病気や生まれつきなどの個人差によっても大きく違ってきます。テトラサイクリンによって歯が変色している場合、ホワイトニングをしても色は変わりません。また、被せ物や詰め物はホワイトニングによって白くならないため、ホワイトニングをした後にやりかえが必要になってくることもあります。いずれにしても、ホワイトニング前にしっかり精査し、ホワイトニング効果が十分に期待できるかを判断する必要があります。

　次回は、ホワイトニングの方法やそれぞれのメリット・デメリットについてもっと詳しくご説明していきます！