こんにちは!歯科医師の京嶌です! 最近、面白い研究結果が出たというニュースを知ったのでご紹介させていただきます。 それが、「睡眠中の歯ぎしりと食物繊維摂取量の関連」に関する研究です。 結論からいうと、食物繊維摂取量が少ないほど、睡眠中の歯ぎしりを起こしやすい傾向があると示されたそうです。 この研究結果により、睡眠中の歯ぎしりに対する新たな対処法の一つになり得るかもしれません。 この話題をもとに、今回は少し「睡眠中の歯ぎしり」に関するお話しをさせていただこうと思います。
睡眠中の歯ぎしりとは?
睡眠中の歯ぎしりは、そもそもなぜ起こるのでしょうか? 実はそのメカニズムはまだはっきりとは解明されていない部分があります。 昔は「噛み合わせの異常」が引き起こすという説もありましたが、 今ではストレス、遺伝、性格など、あらゆる因子が関係していると言われています。 あとわかっていることとして、睡眠中の歯ぎしりは浅いノンレム睡眠の時に発生するそうです。
ですので、睡眠の質を高めることで睡眠中の歯ぎしりの発生を少なくすることができるのかもしれません。 今回の研究も、その観点で睡眠と栄養の関連に着目して研究されたのだと思います。 睡眠中の歯ぎしりが引き起こす問題 それでは、睡眠中の歯ぎしりの何が問題なのでしょうか? 実は、睡眠中の歯ぎしりは我々歯科医師にとっても頭を悩ますほどの厄介な存在なのです。 睡眠中の歯ぎしりが引き起こす主な問題がこちらになります。 * 顎関節症 * 歯が欠ける、割れる * かぶせが欠ける、外れる * 知覚過敏 * 歯周病の悪化 * 頭痛、肩こり * 咬筋の肥大(エラが張る) などなど‥ こんなにもたくさんの問題を生じます。 せっかく治療した被せが欠けたり、歯周病がひどくなったりしたら、イヤですよね、、、 なので、睡眠中の歯ぎしりはしっかり対応していく必要があります。 睡眠中の歯ぎしりに対する治療法 今現在、睡眠中の歯ぎしりをなくすような治療方法はありません。 一般的な治療方法は、マウスピースになります。
寝る時にマウスピースをつけて寝ていただくことで、歯の保護につながり、先ほど述べた問題を起こしにくくします。 この治療は保険適用で、作成する際に歯を削ることもなく型取りするだけなので、比較的に取り入れやすい治療方法だと思います。 なので、睡眠中の歯ぎしりに対する治療法としては第一選択となることが多いです。 ただ、デメリットもあります。 それは、異物感があったりどうしても慣れなくてマウスピースの使用が難しい方も一定数おられます。 そういった方には注射により、筋肉の緊張を和らげる方法もあります。
筋肉の働きを抑えることで、過度な力がかからないので歯の保護につながるということです。 個人差はありますが、筋肉がほぐされることでエラがなくなり見た目的にも改善される方もおられます。 ただこちらもデメリットとして、以下のことが挙げられます。 ・効果が永久ではない(約4〜6ヶ月) ・保険適用ではない。 など より詳細な説明はまた別の記事にでも書きたいと思います。
まとめ * 食物繊維の摂取量が少ないほど、睡眠中の歯ぎしりを引き起こす傾向があるという研究結果が示された。 * 睡眠中の歯ぎしりは、まだ解明されていない部分もあり、歯ぎしり自体を食い止める手段はない。 * 睡眠中の歯ぎしりは、歯が欠けたり、歯周病の悪化など、様々な問題を引き起こす。 今回は、睡眠中の歯ぎしりについてお話しさせていただきました。 今回ご紹介した研究が進めば、もしかしたら栄養の取り方で歯ぎしりも抑えることができ、かつ健康にも良いので、個人的にはすごく期待してます。 また何か情報が入りましたら、お伝えできたらと思います。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。