アンカースクリューは痛い?怖い?矯正治療の質を高める役割と費用を解説
矯正治療について調べていると、「アンカースクリュー」や「インプラント矯正」という言葉を目にして、「歯茎にネジを埋め込むなんて、なんだか怖い…」「痛そうだし、大掛かりな手術が必要なの?」と不安に感じていませんか?
ご安心ください。その不安は、アンカースクリューがどのようなものか、まだよく知らないことから来ています。実はこの小さなネジは、現代の矯正治療を劇的に進化させ、治療の精度を高め、期間を短縮できる、とても心強い「助っ人」なのです。
この記事では、アンカースクリューに関するあなたのあらゆる疑問を解消します。
- そもそもアンカースクリューって何?どんな役割があるの?
- どんな歯並びの悩みに効果があるの?
- 処置の流れは?一番気になる「痛み」はどのくらい?
- 費用やリスクについても正直に知りたい!
最後までお読みいただければ、アンカースクリューへの漠然とした不安は「なるほど!」という納得に変わるはず。ご自身の治療の選択肢を広げ、より良い結果を目指すための正しい知識を、一緒に学んでいきましょう。
アンカースクリューとは?矯正治療の「強力な助っ人」
アンカースクリューとは、矯正治療を効率的に進めるために、あごの骨(歯槽骨)に一時的に埋め込む、チタン製のとても小さなネジ(ミニインプラント)のことです。直径は約1.5~2.0mm、長さは6~10mmほど。身体に優しくアレルギーの心配が極めて少ない「チタン」でできています。
その最大の役割は、船が港で停泊する際に下ろす「錨(イカリ)」のように、絶対に動かない「固定源(アンカー)」になることです。
「絶対的な固定源」がもたらす革命
従来の矯正治療では、動かしたくない奥歯などを「固定源」にして、動かしたい前歯などをゴムで引っ張っていました。しかし、物理の「作用・反作用の法則」で、綱引きをするとお互いが引っ張られるように、固定源にした奥歯も少し前にズレてしまうという課題がありました。これでは、前歯を下げたいのに、奥歯が前に来てしまって、期待通りに動かせない…ということが起こり得たのです。
一方、骨に直接固定されたアンカースクリューは、いくら引っ張っても全く動きません。この「絶対的な固定源」を利用することで、動かしたい歯だけをピンポイントで、計画通りに、効率よく動かすことが可能になりました。これにより、治療の精度とスピードが飛躍的に向上したのです。
こんなお悩みに効果絶大!アンカースクリューの得意な症例
アンカースクリューは、特に以下のような、従来の方法では難しかった歯の動きを可能にし、治療の質を大きく向上させます。
ケース1:前歯を大きく後ろに下げたい(出っ歯の改善)
口元の突出感(出っ歯)が気になる場合、前歯をできるだけ後ろに下げたいですよね。アンカースクリューを使えば、奥歯が前にズレてくる心配なく、前歯だけを最大限に後方へ移動させることができ、口元の印象を劇的に改善できます。
ケース2:歯茎が見えすぎる(ガミースマイルの改善)
笑った時に上の歯茎が見えすぎてしまうガミースマイル。アンカースクリューを使えば、前歯全体を歯茎の方向へ引き上げる(圧下させる)という、従来は不可能に近かった動きが可能です。これにより、笑顔の際の歯茎の見え方をコントロールし、より自然で美しいスマイルラインを作ります。
ケース3:歯を抜かずに歯並びを整えたい(非抜歯矯正)
歯列全体を後方へ移動させる「遠心移動」にもアンカースクリューは非常に有効です。親知らずを抜いたスペースなどを利用して歯列全体を後ろに下げることで、以前は抜歯が必須だったケースでも、大切な歯を抜かずに治療できる可能性が広がりました。
ケース4:前歯が噛み合わない(開咬の改善)
奥歯は噛んでいるのに、前歯が噛み合わず隙間ができてしまう「開咬(かいこう)」。アンカースクリューを使って奥歯を歯茎の方向へ少しだけ圧下させることで、前歯が自然に噛み合うようになり、麺類などを噛み切りやすくなるなど、機能的な改善が期待できます。
「痛い?怖い?」アンカースクリュー処置の流れと真実
「骨にネジを埋め込む」と聞くと、どうしても身構えてしまいますよね。しかし、実際の処置は驚くほどシンプルで、患者様の負担も少ないものです。ここで、処置の流れと一番気になる「痛み」について詳しく見ていきましょう。
処置はたったの5〜10分!埋め込みの流れ
- 表面麻酔:まず、処置する部分の歯茎にゼリー状の麻酔薬を塗ります。チクッとする注射の痛みを和らげるためです。
- 局所麻酔:次に、虫歯治療などでも使う注射の麻酔をします。これがしっかり効くので、処置中に痛みを感じることはありません。
- 埋入:専用の小さなドライバーのような器具で、スクリューを骨にゆっくりとねじ込んでいきます。歯茎を切ったり縫ったりすることは基本的にありません。処置時間は1本あたりわずか5~10分程度で完了します。
気になる「痛み」について徹底解説
- 処置中の痛み:麻酔が効いているため、痛みは全くありません。押される感じや、振動を感じる程度です。
- 処置後の痛み:麻酔が切れた後、1~2日ほど軽い痛みや違和感が出ることがあります。しかし、これは処方される痛み止めで十分にコントロールできるレベルです。抜歯後のような強い痛みや大きな腫れが出ることは、ほとんどありませんのでご安心ください。
費用は?リスクは?知っておくべき注意点
メリットの大きいアンカースクリューですが、費用や注意点についても事前にしっかり理解しておくことが大切です。
アンカースクリューの費用目安
アンカースクリューは矯正治療の一環として行われる自由診療です。費用は歯科医院によって異なりますが、当院では1本あたり2~3万円(税別)程度が目安となります。必要な本数や部位は治療計画によって異なりますので、カウンセリングや精密検査後の診断の際に、総額費用と合わせて明確にご提示いたします。
事前に知っておきたいリスクと対策
- 脱落のリスク:ごくまれに、スクリューが骨にしっかり定着せず、緩んでしまうことがあります。骨の密度が低い場合や、無意識に舌で触ってしまう癖などが原因です。万が一脱落しても、痛みはなく、少し時期や位置を変えて再度埋め直すことが可能です。
- 清掃の必要性:スクリューの周りは汚れが溜まりやすい部分です。専用の小さな歯ブラシ(タフトブラシ)で優しく清掃し、清潔に保つ必要があります。ケアの方法は私たちが丁寧に指導します。
- 口内の違和感:埋め込んだ直後は、頬や舌にスクリューが当たる違和感があるかもしれませんが、ほとんどの場合、数日で慣れていきます。必要であれば、装置を覆うワックスをお渡しします。
よくあるご質問 (Q&A)
まとめ:アンカースクリューはより良い治療結果への近道
アンカースクリューに対する「怖い」というイメージは、少し和らぎましたでしょうか?最後に、この記事のポイントを振り返ってみましょう。
- アンカースクリューは、治療の精度と効率を上げるための強力な「固定源」。
- 出っ歯やガミースマイルなど、従来の方法では難しかった歯の動きを可能にする。
- 処置は短時間で完了し、痛みも痛み止めでコントロールできる程度。
- リスクもあるが、適切に対処可能であり、得られるメリットは非常に大きい。
アンカースクリューは、もはや特別な治療ではなく、理想の歯並びを目指すためのスタンダードな選択肢の一つです。大切なのは、なぜそれが必要なのか、他にどんな選択肢があるのかを理解し、納得して治療に臨むことです。
あなたの矯正治療、もっと良くできるかもしれません
「私の歯並びでもアンカースクリューは有効?」「もっと詳しく話を聞いてみたい」
そのようにお感じでしたら、ぜひ一度、当院の無料カウンセリングにお越しください。
大阪つつい歯科・矯正歯科では、CTなどの精密な検査データに基づき、あなたにとってアンカースクリューが必要かどうか、そして最適な治療計画は何かを、ご納得いただけるまで丁寧に説明いたします。
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