こんにちは、歯学博士の黒坂です。秋も深まり、いよいよ冬が近づいてきましたね!今
年も残すところ一カ月ちょっと。今年はどんな一年でしたか??
みなさん、むし歯の治療をしてしばらく経った時に、また同じところにむし歯ができていて治療を勧められた経験はありませんか??
一度むし歯の治療をしたところから再度むし歯になっていったむし歯のことを「二次カリエス」「二次むし歯」「二次う蝕」と言います。歯の健康を守るためには、二次カリエ
スをいかに予防するかがとても大切です。今回は、二次カリエスについて詳しくお話していこうと思います。正しい知識を身につけて、歯の健康を維持していきましょう!
1. 二次カリエスとは?
二次カリエスは、一度治療した歯が再び虫歯になる状態を指します。二次カリエスは主に、詰め物や被せ物の中で進行します。詰め物や被せ物が割れたり、適合が悪かった場合、そこから細菌が侵入しカリエスが進んでしまいます。二次カリエスは目視での確認が難しいため、レントゲンによる検査が必要です。そのため初期段階で気付きにくく、症状が現れたときには虫歯が進行していることも少なくありません。
2. 二次カリエスの原因
二次カリエスが発症する原因として、次のようなことが挙げられます。
1) 詰め物の劣化
詰め物や被せ物が劣化すると、二次カリエスの原因になります。特に銀歯やプラスチックなどの材料は、時間の経過とともに劣化しやすく、隙間ができたり、目では見えない微細なヒビが入ったりすることがあります。そして、わずかなヒビや隙間から細菌が入り込み、二次カリエスが進行します。
また、被せ物自体の劣化だけではなく、被せ物を接着するためのセメントが劣化することによっても起こります。セメントの接着力が低下し、被せ物と歯の間に更なる隙間ができて、虫歯になりやすくなります。
2) 口腔内の衛生状態が悪い
口腔内の衛生状態が悪いと、二次カリエスを発症しやすくなります。たとえば日々の歯磨きが十分に行われていないと、汚れや細菌が口の中に残り、二次カリエスのリスクを高めます。甘いものの食べ過ぎや飲みすぎも、口内環境を悪化させる原因となります。
3) むし歯の取り残し
処置の際、むし歯が取りきれていなかった場合に、被せ物や詰め物の中で再びむし歯が進行してしまいます。むし歯を取り残さないために、むし歯を染める材料を用いたりして、慎重にむし歯を除去していく必要があります。
3. 二次カリエスの予防と対策
二次カリエスは、いくつかのポイントに気を付けることで、ある程度予防できます。
ここでは二次カリエスの予防と対策についてお伝えします。
1)適切な口腔ケアをする
二次カリエスの予防には、毎日の口腔ケアが不可欠です。むし歯の主な原因は、歯に付着するプラークであり、これは二次カリエスにも当てはまります。被せ物のキワの汚れがとれていないと、そこからカリエスが進行していきます。二次カリエスを予防するためにも、歯ブラシの当て方や動かし方を再チェックし、毎日のブラッシングでしっかり汚れを
とれるようにしましょう。
2)定期検診を受ける
二次カリエスの予防には、定期的な歯科検診が効果的です。二次カリエスはいつの間にか進行していることも多く、症状が現れたときには虫歯が悪化していることがあります。
虫歯を早期発見するためにも、歯科医院で定期検診を受けることがとても大切になります。
虫歯になりかけであれば、適切なブラッシングや歯石の除去などのプラークコントロールにより、進行を防げる場合があります。
4. セラミックは二次カリエスになりにくい?
歯の治療にセラミックの素材を使うことで、二次カリエスのリスクを抑えられます。
セラミックの表面は滑らかで、ざらつきがほとんどないため、汚れやプラークが付きにくくなります。また、セラミックは銀歯などと比べて接着性が高く、隙間ができにくいという特性があります。被せをつける接着剤との接着性が高いので、しっかり歯とも接着し、結果カリエスになりにくくなります。
自費診療になるため治療費は高くなりますが、二次カリエスのリスクを抑えるならセラミックの使用がおすすめです。
5. まとめ
二次カリエスは、被せ物や詰め物が劣化したりすることで発症します。予防するためには、口腔ケアの見直しや歯科医院での定期検診が効果的です。また、歯としっかり接着するセラミックでの治療も選択肢の一つとして考えていただくのもお勧めです。二次カリエスのリスクを減少させるためにも、日頃から適切なケアを心がけていきましょう。
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